ダイビングスキル

スキューバダイビングの正しい潜降の仕方!

スキューバダイビング初心者に多い悩みの1つが「潜降」のスキルです。潜り始める為に必ず使うスキルですが、潜降の練習ができるタイミングはとても少ないのです。潜降をする時は姿勢や耳抜き、空気の調節など様々なスキルが必要となる事から苦手意識があるダイバーさんが多いのです。今回は潜降をする時に意識をするコツをご紹介致します。ダイビングには必須の大事なスキルですから覚えておくといいでしょう!

なぜ潜降が上手くできないのか?潜降のコツは?

潜降が上手くできない原因は何なのでしょうか。まずは自分に当てはまる潜降が出来ない原因を知っていきましょう。主に原因となる項目を挙げていきます。

  1. BCDやドライスーツの空気が抜けていない
  2. 呼吸が上がり息を吐き切れていない
  3. 適正ウエイトが違い沈めない
  4. 息は吐き切れているけどその後すぐに息を吸ってしまう
  5. 正しくない姿勢で水の抵抗が大きくなってしまう
  6. 下に潜りたいのに上方向にフィンキックをしてしまう

などの原因があげられます。潜降が苦手な方は何かしらに当てはまるはずです。それぞれ詳しくご説明していきます!

1.BCDやドライスーツの空気が抜けていない

冬場のダイビングになると自分が着用する「ドライスーツ」にも空気を吸気して浮力を調整します。その為、BCDのみではなくドライスーツからの空気も潜降時には空気を抜かなければなりません。ドライスーツを着ている場合はまず「ドライスーツ」から空気を抜くようにしましょう!ドライスーツから空気を抜くコツをご紹介致します!

ドライスーツから空気を抜くコツ

ドライスーツの種類により排気の仕方・やりやすさに差はありますが、主な排気の方法を覚えておきましょう。ドライスーツ内の空気を抜くコツは肩についているバルブを高く上にあげるように、腕自体を上にあげます。バルブにも「AUTO」と「LOCK」機能があります。基本的に潜降時は「AUTO」にするようにしましょう。AUTOにしていると肩を上げるだけで勝手に空気が抜ける仕組みになっています。種類によっては肩だけでなく手首にもバルブが付いているタイプもあります。その場合は更に排気がしやすくなります!それと同時に自分の手(腕)で自分の身体を抱くようにドライスーツを圧縮します。自分の身体を縮こまるようにしぼめるとうまく排気できます!

BCDから空気を抜くコツ

ドライスーツの空気が抜き終わってからBCDの空気を抜いていきます。同時に抜こうとすると操作が多いのでBCDは潜降する直前に排気しましょう。BCDの排気方法にも種類は数個ありますが基本的には、左肩についているインフレーターホースを左手で持ち、頭を上にした縦姿勢になります。身体を起こして縦にならないと空気が肩にたまらない為、このような姿勢で排気を行います!ポイントはBCDの中の空気の動きをイメージし、しっかりとこの左肩のバルブに集めてあげることです。抜けずらい人は左後ろを振り返るように排気してあげるとほとんどの場合、抜けます。

上記のような姿勢を意識して空気を完全に抜けるようにしましょう♪

2.呼吸が上がり息を吐き切れていない

潜降を始める前の水面を泳いだり緊張による浅い呼吸は潜降に悪影響を及ぼします。ダイビング開始時に興奮から気持ちが高まってしまい、呼吸が早くなったダイバーに多い状態です。潜降をする時はゆっくりと深呼吸をし落ち着いた状態で行う事が大切です。息を十分に吐ききらないうちに、さらに吸おう吸おうとして、結局、肺の空気による浮力で沈むことが難しくなります。また、極度の緊張により呼吸が浅くなると息を吐き切ることが出来ず潜降できません。

潜降前の呼吸法のコツ

潜降前に呼吸が落ち着かないようであれば、一旦水面で呼吸を落ち着けてから潜降しましょう!息の吐き方のコツを覚えておきましょう!吐く方法は一気に強く「フッ!」と吐くのではなく、細く長く、息を「フーーーーーーー」と吐くと良いでしょう。水面で大きく息を吸い込みその後ゆっくり息を吐いていくと徐々に沈んでいきます。

3.適正ウエイトが違い沈めない

ダイビングには沈むために「ウエイト(重り)」が必要となります。ウエイトの量はダイバーそれぞれ異なり自分に合った重さでないと適正ウエイトという事が出来ません。沈めないダイバーが良く勘違いしてしまうのは、安易に重りを足しすぎてしまう事。これを「オーバーウエイト」と言います。逆に重りが足りずどれだけ息を吐いても沈めない事もあるのです。まずはしっかり自分自身の適正ウエイトを知る事から始めましょう。資格を取る為のライセンス講習時はすぐに浮いていかない様に、バランスを取りやすくする為にというインストラクターの心理からオーバーウエイトの事が多いです。講習が終わってもその時の重りで潜っているとオーバーウエイトになりやすいです。

適正ウエイトの量り方

  1. ダイビングで潜る時の装備で水面に浮きます。
    →この時目安の重りで入水してみましょう!
  2. BCDの空気を全て排気した状態にします。
    →この時にすぐに沈んでしまう場合はオーバーウエイトです。
  3. 水面で呼吸をした状態で水面との目線がほぼ同じ高さであれば適性ウエイトです。
    →この時に身体が沈み切らず首から上が水面に出ている状態であれば、ウエイト量が軽すぎます。また反対に身体が沈みすぎて、頭まで水面下に沈んでしまう場合は、ウエイト量が重するオーバーウエイトの状態です。

潜降に悩むダイバーはもう1度適正ウエイトを量ってみましょう。着用しているスーツの種類やダイビングをするフィールド、タンクの種類によってウエイト量にも変化があるので注意が必要です。1度量っても最初の頃は次のダイビングの日まで覚えていられない事が良くあります。覚えている日中にログブックや何かにメモを取るようにしましょう。その時にその日のタンクの種類・スーツの種類・海なのかプールなのかもメモをしておくといいでしょう!

4.息は吐き切れているけどその後すぐに息を吸ってしまう

適正ウエイトはしっかり息を吐き切った後ゆっくり沈んでいきます。息はしっかり吐き切れているのに身体が沈み始める前にまた息を吸ってしまうとすぐに浮いてしまいます。この場合は、沈み始めるまでゆっくりと息を吐き続け少し待ってみましょう。人間にも息が無くなる限界はあるので苦しすぎるまで我慢する必要はありません。吐き切って沈み始めた後、息を吸うときはいっぱい吸うのではなく軽く息を吸う程度にしましょう!その後またしっかり吐き切ればしっかり潜降できます。自分の身体と同じ分くらい身体が沈めば、ウエットスーツが圧縮されたり浮力が小さくなるので普通の呼吸に戻して大丈夫です。落ち着いた深呼吸を意識しましょう!

5.正しくない姿勢で水の抵抗が大きくなってしまう

潜降時の姿勢は初めの頃しっかり意識をしなければうまく行きません。正しい姿勢を皆さんはご存知ですか?よくあるトラブルは足が真下で直立の状態で潜降すると、背負っているタンクの重みで重心が後ろに傾きお尻から墜落することです。お尻から落下してしまうと耳抜きが間に合わなかったり水の抵抗が非常に少なくなるためバランスも取りづらくなります。

潜降時の姿勢は基本的に「前傾姿勢」がいいでしょう。お尻から沈まない様に直立ではなく気持ち前姿勢にします。この前姿勢の際に水面にうつ伏せになってしまうダイバーもいます。うつ伏せになってしまうと水の抵抗が大きすぎ、沈んでいくことが出来ません。背中に赤ちゃんを背負っている気分で、「タンクをおんぶ」していると思ってみて下さい。陸上でも赤ちゃんを背負っている時は落とさない様に気持ち前傾姿勢になると思います。水中でも意識をしてみるといいでしょう!それに加え膝から下は曲げるように膝立ち状態にして潜る事をお勧めします!

6.下に潜りたいのに上方向にフィンキックをしてしまう

潜降する時の姿勢やフィンキックを常にしてしまう癖がついているダイバーは潜降時にフィンキックをしてしまいます。フィンキックをしてしまうと潜降時は直立姿勢になる為、下に潜りたいのに水面への力が働いてしまいます。更に身体を起こした状態で上向きにフィンキックをすれ為、身体が浮いていくのです。潜降時は意識をして足のフィンキックを止めるようにしましょう。フィンキックをしない為にも潜降時は前傾姿勢に加え膝を曲げるアドバイスをしています♪


潜降時によくあるトラブルとして上記6項目をご紹介しました。コツを知った上で潜降にチャレンジしてみましょう!潜降の練習をするタイミングは実はあまりなく、基本的にダイビングツアーは2ダイブの事が多いですがその2回しか練習ができないのです。もしも、潜降に悩みやスムーズに潜れるようになりたい方はプールでの徹底的な練習やダイビングツアーに参加をするダイビングショップのスタッフに相談するといいでしょう!

それでは最後に正しい潜降の手順を復習しておきましょう!!

正しい潜降の手順

正しい潜降をする為の潜降方法として「ファイブポイント潜降」というスキルが存在します。これはダイビングの指導団体PADIでのスキルとなります。初めて知る方もこれを気に覚えてみましょう!潜降時はバディと一緒にタイミングを合わせる事も重要となりますが自分のペースで一人一人潜ることもあります。名前の通り5つの手順に沿って潜ります!

  1. バディ同士で準備が出来た事を水面で確認しあいます
  2. ボートや潜降ロープなどの水面または陸上にある物体を目印にします
  3. スノーケルからレギュレーターに交換しましょう
  4. ダイブコンピューターに電源が入って居るかを確認します
  5. 潜降の合図を出してバディと一緒にBCDの空気をゆっくり抜きましょう!

上記、5つのポイントで確認を取り合い、二人で一緒に潜降します。場合によっては潜降する時に目標物も何もないブルーウォーターの可能性もあります。その場合はバディトはぐれない様にダイブコンピューターを見ながら深度の調整をし浮力をコントロールしましょう!


まとめ

ダイビングを始めた頃は自分の適正ウエイトや潜る時の姿勢・コツを掴めず潜降に悩みを抱えるダイバーが多いですが、コツを知って意識をするだけでスキルは上達するのです。練習の方法もわからず毎回のダイビングで潜り初めがストレスになる方もいますがそんな悩みはもうやめましょう!潜降もいわゆる「中性浮力」なのです。それぞれの潜降中の丁度いい浮力を調整する状態です。潜降が上達すると泳ぎ始めた水中の中性浮力も比例して上達していきます♪

中性浮力についてまとめた記事はこちら!

潜降をマスターしてストレスないダイビングを目指しましょう♪

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