スキューバダイビング、スキンダイビング、フリーダイビング各種目全てに起こりうる足のつり!ダイビング中に足がつりやすい。1度吊るとその日1日つりやすくなってしまう。せっかくの海・プールに来ているのに・・・。未然に防げる対策はないものだろうか?休みを使ってリフレッシュしに来た場所で身体の不調に悩まされるなんて嫌ですよね。
そんな悩みを抱えるダイバーへのお助け記事をお届け致します!そもそも足のつりってどんな状態なのか、原因は?改善策までしっかりご説明します。悩んでいるダイバーさんは是非最後までご覧下さい!
1.そもそも足がつっている状態とは?
人生で足をつった事がある人は、吊った時の感覚や吊りそう!という時の感覚がわかると思いますがそもそもどういう状態なんでしょうか? 足がつる状態とは身体の筋肉が伸縮バランスが崩れることで異常な収縮を起こし、元に戻らなくなってしまう事と言われています。足のつりのほとんどが「ふくらはぎ=こむら返り」ですがその他にも足の指や足底アーチをつる事あり、専門的な用語に直すと【筋痙攣】と言います。 漢字の通り 足のつりを簡単に説明すると「筋肉が痙攣した状態」ということになります。筋肉が固まった状態から急に引っ張られたりする事で痛みが生じる事が多くの症状となります。 ここで知っておいて欲しい事が足のつりの仕組みについてです。そもそも筋肉には過剰に伸びたり縮んだりしないようにブレーキをかけるセンサーが備わっています。筋肉の伸びすぎを防ぐのが筋紡錘で、筋肉が伸ばされると筋紡錘はそれを感知し、筋肉が伸びすぎて断裂しないよう脊髄に情報を送り、筋肉に「縮め!」という指令を出してくれます。一方、腱(筋肉が縮むと伸びる構造)の中の腱紡錘は筋肉が収縮して腱の伸びを感知すると、断裂を防ぐため、その情報を脊髄に送り筋肉を弛緩させてくれます。 通常はこの2つの働きによってバランスが取れていますが腱紡錘の働きが鈍くなると筋肉が収縮し続け足がつってしまうのです。
2.どんな時につることが多いのか
日常生活編
●妊娠・加齢 ●睡眠中(夜間の冷え) ●脱水 ●筋肉への急な強い負荷 ●熱中症ダイビングなど海編
●体の冷え ●筋肉の疲労 ●極度の緊張による硬直 ●水分ミネラル不足3.日常生活における足のつりの原因と対策
【妊娠・加齢】 妊娠中に足がつりやすい原因の1つとして「筋肉量」「ミネラル不足」が関わってきます。 大きくなったお腹を支えるために足に負担がかかったり、お腹が大きくなって子宮自体圧迫されて下半身の血流が悪くなるのも主な原因です。その他にも妊娠中は体内のミネラルが不足しがち。それが原因になる事もありますが主な原因は筋肉への負担のようです。加齢に伴う筋肉量の減少や血行不良、冷え脱水も気を付けなければいけませんね。
【睡眠中】 寝ている間は汗をかいてミネラルバランスが崩れやすい上、布団から足が出て冷えたり血流が滞って電解質が運ばれにくくなり釣りやすい。その他にも寝ている間は水分を取らない為、体が脱水傾向になりやすい。寝ている間も皮膚や呼吸から水分が失われるため、寝る前にコップ一杯の水を飲む事をオススメします!
【脱水】 まず脱水症状とは、体内に水分とナトリウム・カリウム・カルシウムなどの電解質が不足している状態の事でひどいと足のつり以外にも頭痛やめまいなどの重度の意識障害を起こすこともあります。夏に起こりやすいイメージがありがちですが、水を飲む癖がすくない冬場も気を付けなければいけません。
【筋肉への急な強い負担】 足のつりはスポーツ障害としても起こりますが日常生活でも発生することがあります。立ち仕事や買い物で重い荷物を運んだ時など足への負担が長時間かかった時に起こりやすいです。これに関しては対処法が無いようで普段からの水分補給や思いものはカートで運ぶなど工夫をしなければなりません。
【熱中症】 夏に起こりやすい症状の1つ熱中症ですが、熱中症の初期症状として起こるのが足のつりです。熱中症自体は気温や室温などの周囲の環境に対する体の適温応力が破綻した場合に発生します。ふくらはぎ・お腹の筋肉が痛みを伴い痙攣します。この事を「熱痙攣」と言います。 熱中症の時は注意して水分補給や日陰などに移動させる未然に防ぐ準備をしましょう。
4.ダイビング中における足のつりの原因と対策
【体の冷え】 水中の温度は体温より必ず低いです。それに加え陸上で過ごしているよりも水中の方が体温が奪われるスピードが更に速くなります。水は空気よりも密度が高い為、水の中は楽かと思いきや水中での動作は陸上で動くよりも労力が必要です。水は同じ温度の空気より多くの熱を吸収し【約20倍】の速さで体内の熱を吸収します。体の冷えと共に血行が滞り筋肉に必要なエネルギーを十分に運べなくなったり、神経の伝達に必要なミネラルのバランスが崩れたりします。うまく筋肉が動かなくなり足のつりにつながってしまうのです。水中では季節に合った装備をするように心がけましょう!
【筋肉の疲労・緊張による硬直】 ダイビングを始めたばかりの頃に特に多いのは、中性浮力に慣れていなかったり潜る事に慣れていない時は常にフィンキックをしている状態になります。それに加え緊張から筋肉が固まり硬直状態になるとつりやすくなる。スキンダイビングやフリーダイビングは常にフィンキックをして前に進むマリンスポーツなので楽なフィンキックを練習することも大事です。知らず知らずのうちに負担がかかっているのです。
【水分ミネラル不足】 ダイビング中は水中ですが泳ぐ事によって汗をかいています。夏場はとくにタンクを背負ったり移動までの間にすでに汗をかいているので足がつりやすくなります。ですが水中で水を飲むことができないので脱水状態になります。脱水は以上収縮を引き起こしやすいのでダイビング前は十分な水分を取るように意識しましょう! また、ミネラルが不足すると脳からの筋肉の収縮調整の信号が正常に働かないためつりやすくなります。 カルシウム・マグネシウム・ナトリウムイオン・カリウムが関係しているので事前に摂取するのがおすすめです。
5.ダイビング中に足をつった時の対処法
足のつりは「ふくらはぎ・太ももの後ろ・足の裏・足指」など足をつる事が多いと言われています。ダイビング中に足をつってしまった時は出来るだけ早く回復させるのがいいですが伸ばすときは「ゆっくり」伸ばすようにしてください!急に伸ばすと筋肉を傷める事があります。
■ふくらはぎ・太もものつり
つっている足を前に出してフィン先をつま先でつかみ自分の方へ引っ張り筋肉をじっくり伸ばしていきます。 ふくらはぎではなく太ももをつっている場合はフィン先を持つ手と反対側の手で膝をさらに伸ばすように下に押すと治りやすくなります!
■足の裏・足指
足の裏や足の指をつってしまった時はブーツを脱ぎ、つっている部分をダイレクトに伸ばしたりマッサージすると治ります。またスキンダイビングにおいては良くキックをするスポーツなので普段履くスキンダイビング用のブーツはソックスのような薄いタイプでソールが無いようなものが最適です。
足のつりを対処するときは自分自身で直せる場合と直せない場合があります。 下記写真を参考にしてみて下さい!
写真
↑自分で治す場合 つま先をもって自分の方へ引っ張る
写真
↑誰かに直してもらう場合 相手の胸につっている足のフィン裏を当てて、相手に体重をかけてもらい太ももの裏からふくらはぎまで伸ばしてもらいます。
足がつってしまった時は自分で対処するのも大事ですが、ロスト(迷子)の原因にもなるので無理せずにインストラクターやバディに助けてもらいましょう。未然に防ぐには、フィンキックの負担を減らすための中性浮力も大事です。スキルに不安がある場合はプールでの練習会に是非ご参加ください!
6.足のつりの予防
最大限にダイビングを楽しむ為の予防!
準備運動
ダイビング前の準備運動は何よりも大事。ダイビング以外でもスポーツをする前した後はストレッチをするはずです。足の筋肉を温めて柔らかくしておくとつりにくくなります。屈伸や伸脚は特に効くストレッチです。
その他、足の指をつりやすい方は足首を回す動作や足の指の間に手の指を入れてぐるぐる回すようなストレッチも良く伸びます。 (上記写真参照)
水分補給・ミネラル補給
水中では水分補給ができないので、ダイビング前に水を飲んでおきましょう。水分と一緒にミネラルも補給できるスポーツ飲料もおすすめです。そもそもが乾燥した空気を吸う事になるので喉が渇きやすいです。稀に乾燥した空気は苦手な方はバイオフィルターという乾燥した空気を防ぐレギュレーターを使用される方もいます。
↓ミネラルを補給できる食べ物↓
- 小魚・海藻類・乳製品→カルシウム
- 大豆食品・穀物(玄米など)・アーモンド・ゴマ→マグネシウム
- ほうれん草・枝豆・納豆・サツマイモ・バナナ・キウイ→カリウム
↓ミネラルを補給できる飲み物↓
- クエン酸入り
- ビタミンB1・ビタミンC
体温の維持
ウエットスーツは厚手の方が保温性はもちろん高くなります。体が冷えやすい方は特にですが時期に合った装備や保温を心がけましょう。水中だけでなく陸上での冷えももちろん足のつりにつながりやすいです。体を温めるウィンドブレーカーや飲み物を持参することをお勧めします。夏場の海はあったかい!という印象をお持ちの方も中には多いと思いますが水中は熱が奪われるスピードが陸上の20倍と言われています。時期に合った装備と準備を心がけましょう。
ダイビング中の何らかのストレスには必ず原因と対策方法が必ずあります。それを知らずに水中で苦労をするのはもったいないです。この記事を読んだあなたはこれから意識をして少しでもイイ、ストレスフリーのダイビングライフを楽しんで頂ければと思います。