ダイビングスキル

なんで他の人よりもエアがすぐに無くなるの!~エア持ち改善法伝授~

【エアの消費が早くて気まずくなるダイビングとはもうおさらば!】

エアが早くて周りに気を使ってしまう…そんなダイビングはもうやめましょう!
ダイビングを始めたばかりの方によくある悩みですが、長年ダイビングをしているのに一向にエアの減りが早い方は別の理由があるのかも?今回はエア消費が早い理由&改善点をご紹介致します。エア持ちさえ良くなればあのポイントに潜りに行けるのに!願望が叶う可能性があります。そんな全国のダイバーのお悩み改善をしていきます!

なぜエアが早いと悩むはめになるの?

スキューバダイビングは「団体行動」がほとんどです。セルフダイビング(バディ潜水)を除き、基本的には複数名でする遊びです。その為、ダイビング中に何かトラブルがあった際に緊急事態以外で1人だけ浮上をする、そんな事は絶対にあり得ない事なのです。1人でもエアが少なくなったらチーム全体で戻り始めるのが基本的なルールとなります。自分がその状態になった時「私のせいで潜れる時間が少なくなってしまった」など考えてしまう方の方が多いと思います。

エアが早いダイバーの原因

ダイバーによって原因は様々です。まだ慣れない事による呼吸の乱れやスキル不足、年齢や体格も関係してきます。特にダイビングを始めたばかりの男性はエアの消費が早い傾向があります。ですがエアの消費が早いからと言って気にしすぎる必要はありません。あくまで個人差ですから時間をかけて解決していきましょう。例えば「中性浮力が取れていなく無駄な排気が多い・呼吸の回数が早い・呼吸方法が良くない・大物など水中で好きなものに出会えた時の興奮・オーバーウエイトの可能性があるかも」などなど様々な例があります。魚が多かったり面白いポイントには流れがあったり深度が深かったりと少し難易度の高い場合もございます。面白いダイビングポイントを存分に楽しむためのスキルも練習できるのです!そのための改善策をご紹介致します!

原因を踏まえた解決法を知ろう!

原因1.極度の緊張
一番の悩みの種の原因となるのは【極度の緊張】によるエアの消費だと思います。人間は緊張するとどうなると思いますか?陸で緊張する時は心拍が上がり一気に呼吸の回数が増えると思います。自分の心臓の音がドクドクというように聞こえるような感じ…!大事な試合の前・発表会の前・好きな人に告白をする前(笑)などなど人生において緊張をするタイミングは絶対にあると思います。そのタイミングは陸だけではなく水中でも起こるのです。初めてダイビングを習って海デビューの際にはよく感じるでしょう。スキューバダイビングとは水中での散歩の様なものですから必ずしも呼吸をしなければなりません。この記事を書いている私の経験上、人間は水中で緊張やパニックを起こすと【呼吸が早くなる】【息を止める】傾向にあると思います。呼吸が早くなる事はダイビングにおいて大きな影響を及ぼします。エアの消費が早くなる他、なかなか潜降ができない、浮力調整が上手くいかない、疲れるなどなどこれらの問題が起こると更に緊張感は高まり呼吸のペースが早まります。その結果、ダイビングをする上での極度の緊張が大きな原因となるのでは無いかと感じます。

改善点1
極度の緊張は慣れれば治るのもなのでしょうか?まず緊張をしてしまうダイバーには練習が足りていない、もしくはダイビングを始めたばかり、期間が空きすぎてしまっているなどの理由があると思います。個人的には月に1回は必ずダイビングをし1日の流れや水中でのスキルを練習&楽しむことが大切だと感じます。水中で呼吸をしなきゃと考えていると更に吸わなきゃと緊張が身体に走ります。海に潜るまでの時間や前日などからその日のダイビングのいいイメージを自分自身で作っておきましょう!水中で何が見れるのかなあ?綺麗かなあ?こんな事でも十分イメージトレーニングになります。いい印象の他、ダイビング器材のセッティング方法や潜る手順(操作)などもまだ慣れていない人は動画やマニュアルを使ってでも復習をしておくと当日焦らずに準備ができるはずです。周りの人はできているのに…待たせている。など自分自身を焦らす原因を減らしましょう。いいイメージを持っていれば緊張からワクワクの楽しみに変わるはずです。また緊張している事を人に相談しましょう!移動中の車や到着してからの時間をうまく利用しましょう。当日不安が残ったままダイビングを行うとやはり緊張をしてしまいます。インストラクターも親身になってその悩みを聞いてくれるはずです。相談するほかに緊張して黙り込んでしまうよりも誰かと他愛のない会話をするだけで緊張している事を忘れリラックスできるかもしれませんよ!

原因2.呼吸の方法
普段から必ずしている呼吸ですが水中での呼吸法を誤ってしまうダイバーがいます。エアの消費を減らすためにスキップ呼吸をしてしまうダイバーがいます。※スキップ呼吸とはダイビング中に吸って吐くという呼吸法ではなく、息を止めたり少し吸ったりなど途切れ途切れに呼吸をする事です。しっかり息を吸わないと酸欠による頭痛を起こすことがあります。スキップ呼吸はいずれ呼吸が乱れエアの消費が早くなってしまうこともあり危険です。その他にも呼吸をしなければならない事を意識しすぎて呼吸のペースが早いダイバーもいます。浅い呼吸では空気がしっかり肺まで入らず新鮮な空気が口元を出入りしているだけ。身体の中に必要とされる酸素が吸収されていないのです。その為苦しく感じるダイバーがいると言われています。ダイビングを始めたばかりのダイバーが空気が薄く感じるのはこれが原因となるのではないかと感じます。

改善点2
ダイビングに適した呼吸の方法を皆さんは知っていますか?ダイビングを始めるための一番最初のライセンスコース【オープンウォーターダイバーコース】で習ったように、呼吸の方法は【ゆっくり吸ってゆっくり吐く】事です。意識をしていても上手くできなくなってしまうのがこの呼吸なのです。深くゆっくりと呼吸をする事を心がけましょう!数回の浅く早い呼吸よりも1回の深い呼吸の方がより少ない量のエアを消費するのでエアの長持ちに繋がります。原因でもお話をしたスキップ呼吸を(無理に息を止めたり)せず呼吸ではなく運動量を節約しましょう。運動量を節約するとは、いくら通常の呼吸をしていても陸上で激しく運動をしたら息が切れるように水中も沢山動く事により呼吸は乱れてしまいます。ダイビング中は運動量を減らし無駄な動きをしないようにしましょう。例えば水中で仲のいい友達とダイビングをしている時、誰しも面白くて水中で笑ってしまう事があると思います。水中で呼吸以外に笑ったり興奮した時にエアが減ってしまう事もあるのです!ダイビングのコツは【吸う事よりも吐く事を意識】する事が大事です!息を吐く時に肺の中の空気がなくなるくらいのイメージでしっかり息を吐きます。そうする事で次に息を吸う事にしっかり空気が入ってくるようになります★

原因3.中性浮力が上手く取れていない
初心者ダイバーが一番苦戦するスキルの中性浮力ですがエアの消費を良くする上で大きなカギとなります。中性浮力が取れていないダイバーは水深を維持するための下向きのフィンキックを良く行います。フィンキックを上手にし前に進むためには平衡姿勢を取り前に進む事です。水深を保つための下向きキックでは縦姿勢になる為水の抵抗も大きくかなり疲労が溜まります。自分自身そもそも中性浮力を取って泳ぐことが出来ているのがわからないダイバーは一度その場で止まってみて下さい。中性浮力が取れていれば沈まないはずです。沈む場合は中性浮力が取れていません。なぜ中性浮力がエア持ちに繋がるのか分かりますか?中性浮力を取るときは主にタンクから流れてくるエアを使用して浮力の調整をします。浮力の調整に慣れていないダイバーは丁度良い位置を見つける為に空気の出し入れの回数が増えます。【沈みすぎたらエアを入れ浮きすぎたらエアを捨てる】この回数が増える事で空気の無駄な消費をしています。初心者ダイバーのエアが早いのはこれが原因と言われています。ただ、初心者だけではなく長い期間ダイビングをしていても姿勢や中性浮力が上手く取れていないダイバーはうまく行きません。ここまでお話をした操作的な問題もあれば【オーバーウエイト】によるエアの消費も大きく関わってきます。※オーバーウエイトとは自分自身の丁度いい適正ウエイトよりも増え重たい状態でダイビングをしている事です。適正ウエイトでないと身体への負担もかかりますが中性浮力にする為に余分な重さ分の空気を更に吸気しなければならないという無駄な空気の消費が増えるのです…。これに至っては実は中級ダイバーにも多いミスです。ダイビングは上達すれば重りも減らすことが出来るのです。稀にオープンウォーターダイバーコースを受講した際の少しオーバーウエイト気味の事から変動させていないダイバーもいるので要確認が必要となります。

改善点3
皆さんは中性浮力がどんな状態か分かりますか?中性浮力とは【浮きも沈みもしない状態】の事です。ダイビング中は基本的に潜降以外全て中性浮力状態なので最も大事なスキルとも言われています!中性浮力をマスターする為のポイントは私的に3つの項目だと思います。

  1. 適正ウエイトを知る事
  2. 潜降後に水底で一度リラックスしよう
  3. 深場と浅場の移動をする時に細目に浮力の調整をしよう

上記をマスターすれば浮力の調整によるエアの消費は少なくなると思います!中性浮力のコツについてはまた詳しく書きますが、エアの消費以外でも中性浮力をマスターすればストレスなく楽しい安全なダイビングができます。

原因4.大物に遭遇しても興奮しない
大物に遭遇して興奮からエアの消費が急に激しくなる事はよくある現象だ。しかしこれは出来るだけ無くしていきたいエアの消費例です。よくあるのは慣れてきたベテランダイバーに多い。特に水中カメラを手にしている場合写真に粘っている間にエアが無くなっているなどとても危険な状態になりやすいのです。関東のダイバーのゴールとも言われる大物”ハンマーヘッドシャーク”が現れる【神子元島】では時にエアの管理が必須となります。伊豆の中でも難しい海とされ潜る為の本数制限もされている。ここでは大物を狙うダイビングを行う為エアの消費に気づかず気づいた頃にはエアがもう30程しかない!そんなことがあるかもしれません…。

改善点4
大物目当てのダイビングの際は基本的にインストラクターよりも深度を浅く生物が出るまでは待機していましょう。勿論エア持ちは経験の証とも言われてしまう事もありますが水中はどんな時でも油断大敵!オープンウォーターダイバーコースの頃と今のエアの消費量に変化はありますか?最初からエアの消費は人並みでそこまで気にする速さではなかった人も今回説明をしている内容を意識すると更にエアの持ちがよくなるかもしれませんね!


ここまで原因と改善策をご紹介してきましたがダイビングは潜らなければ手順や水中での中性浮力、エアの節約も良くなりません。自動車を数か月運転しなければペーパードライバーと言われてしまう様にダイビングも期間が空けばせっかく覚えたことを1から覚えなおしになります。これが数年バリバリにダイビングをしてきた人が数か月空いてダイビングならまだ記憶ある中感覚を徐々に取り戻す形になると思いますが始めたばかりの方は最初の内に頻繁に潜って慣れていくことをお勧めいたします。

又、その他でも【フリーダイビング】という息を止めて潜るダイビングもエアの消費を良くする効果があると言われています。フリーダイビングとはスキューバダイビングで使用とするタンクを使用せずに自分の呼吸だけで水中を潜るスポーツ。重たい器材を背負うことなく身軽に水中を泳げることから近年では人気の高いスポーツとなっております。単に水中での息を伸ばしたい・美しく長く泳げるようになりたいという理由でフリーダイビングを始める方もいますが、スキューバダイビングでのエアの消費に悩んでいる方が挑戦する事もございます!フリーダイビングでは綺麗な泳ぎ方や水中で長く滞在する為の正しい呼吸法を習います。その為、水中で落ち着く練習やリラックスをするという事に繋がるのです。自分自身と向き合うフリーダイビングの練習も重ねる事でスキューバダイビングのスキルアップに繋がるという事です!フリーダイビングを始めてみたい方はまずはしっかりフリーダイビングのライセンスコース情報をご確認下さい!


まとめ

今までエアの消費による悩みを抱えていたダイバーの皆さんは今回ご紹介しているいくつかの方法にチャレンジしてみて下さい。エアの消費は自分の意識で直すことが出来ますよ!

  1. 事前のイメージトレーニングや緊張を解く為に会話をする事
  2. ゆっくり深く呼吸をする事
  3. 浮きも沈みもしない中性浮力状態をマスターする事
  4. 大物にあってもまずは落ち着いてしっかりと息を吸う事(早い呼吸にならない)

皆さんは今後これらを意識してダイビングをしてみて下さい。エア持ちに悩む方はプール練習に参加してみるのも1つの手かもしれませんね。自分の呼吸スピードと向き合う為に安心して練習できる環境を選んでスキルアップしていきましょう♪

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