身体の事

【実は船酔いでは無い可能性も?】ダイビングで船や波に酔わない方法とは?

海の中を思う存分ん満喫した後に訪れる「き、気持ち悪い…」という症状。折角のダイビングも船や波で酔ってしまい気分が悪くなってしまうと楽しい思い出も色あせてしまう。船酔いや波酔いと呼ばれるこの症状に悩まされている人も少なくない。さらに実はこの気持ち悪さが船や波が原因ではない人も!?今回はそんなダイビング後に気持ち悪くなってしまう方必見の酔いを防ぐ方法と酔ってしまった時の対処法を紹介する。

気持ち悪くなる原因はこの5つ!

ダイビングが始まる前や終わった後、またはダイビングの最中に気持ち悪くなると「もう陸に帰らせて…」と感じる程嫌な気分になる。まずは気持ち悪くなってしまう原因を知り、自分がどの状況に弱いのかを把握して、気持ち悪くならない為の方法や気持ち悪くなった後の対処法を知ろう。そうする事でどのように対処すればいいのかが判断できるようになる。

船酔い

最も悩んでいる人が多いのがこの船酔い。でも実は最も対処するのが簡単なのもこの船酔いなのだ。船酔いは普段の生活では起きない上下・左右・前後・回転などの動きを脳が処理しきれずに気分が悪くなるとされている。平衡感覚や体幹が強い人ほど船酔になり辛いとされている。ちなみに船酔いに悩まされる人の一番の原因は「思い込み」である。「私は船に乗ると酔ってしまう」「今日は波が高いからダメかもしれない」という不安感や過去の体験による先入観により本当に酔ってしまうのだ。

波酔い

水面で波によって体が上下したり、水中で波によって体が左右に振られた結果、上記の船酔いに近い状況に脳がなってしまい気分が悪くなった状態。主にボートダイビングなどで浮上後に船を待っていたり船に上がる順番を待っている間に酔ってしまう。症状がひどい人は、穏やかな水面にいても気分が悪くなってしまう人も…。

海藻の揺れ

海底に伸びている海藻の近くやその上を泳いでいる時に気分が悪くなる場合は海藻が原因。海藻が揺れている時に自分が中性浮力を保ち浮いていると、その揺れと同じタイミング、同じ方向に身体も揺れる為海藻自体は止まって見えるのだが、その時に海底が揺れているように見えてしまう。普段動くはずのない海底が動いてしまうように見える事で脳がパニックになり酔ってしまう。

濁った海や暗い海

濁った海やナイトダイビングや水中洞窟内などの暗所で上下の感覚が失われることで気分が悪くなる事がある。また、こういう場所では多くのダイバーが水中ライトを使用しているのだが、このライトが目に当たる事でめまいを起こして気分が悪く事がある。

空気を飲んでしまっている

呼吸をする時に息を吸い込みすぎて空気が胃に入ってしまう人がいる。そうすると水底で胃に入った空気が水深が浅くなる際に膨張してしまい、うまく排出できないと水面で吐き気を感じてしまう。水底では気持ち悪くなかったのに、浮上の最中や浮上後すぐに気分が悪くなる人はこれが原因の可能性が高い。

それぞれの酔いに対する予防策

一般的にダイビング中に気分が悪くなると総じて「酔い止め」を服用する人が多いが、上記のように気分が悪くなる原因はいくつかある。どのような原因によって気分が悪くなってしまっているのかで対処法は異なり、酔い止めが効く場合もあれば効果がない場合もある。ここではどのようにすることでそれらの酔いに対処できるのかを解説。酔いに悩まされている人は是非実践してほしい。

船酔いの予防策

1.酔い止めを飲む

船酔いに関しては酔い止めを飲む事で大半の場合気分が悪くなるのを防ぐ事が出来る。大切なのは飲むタイミングで、少なくとも船に乗る30分前には服用する必要がある。酔い止め薬は最もダイバーの間で信頼されているのが「アネロン」がオススメだ。

2.空腹や満腹はNG

空腹や満腹の状態は船酔いしやすくなる。特に空腹は酔ってからの症状が非常に悪いので絶対に避けるべきである。船酔いが不安な人は朝食は消化のいい物を乗船の1時間前には済ませておこう。船酔い対策として血糖値を上げる事が効果的な為、チョコレートなどを乗船前に食べるのも効果的。ガムは噛む事で覚醒効果が起き船酔いを予防してくれる。ミント味なら口の中もさっぱりしてさらにいい。

3.寝不足をさける

朝が早いダイビングではついつい寝不足気味で参加する人も多いが寝不足の人は船酔いをしやすくなる。前日は早めに就寝し、十分な睡眠時間を取ってからダイビングに参加しよう。

4.船の中心部に座り、進行方向を向く

船は構造上、船首と船尾がもっとも揺れやすい。最も揺れが少ない中心部に座ることで、船酔いの原因となる揺れを軽減することができる。あとはなるべく揺れの方向を普段の生活に近づける為に進行方向をしっかりと向いておくことがオススメ。絶対にやってはいけないのは下を向いたり細かい作業をする事。例えば曇り止めをマスクに塗ったり器材を調整したりなどの細かい作業は陸上や揺れの少ない場所で済ませておくことがオススメだ。

5.思い込みを無くす

一番難点なのはこの思い込み。基本的に酔い止め薬を飲めば船には酔わない。まずは騙されてと思って穏やかなボートダイビングが行えるポイントに酔い止めを飲んで挑んでほしい。酔い止め薬は本当に酔わないのである。そうする事で自分の思い込みが気のせいだったとお気づき頂けるはずだ。

6.会話を楽しむ

船に乗っている時他の人と談笑していると不思議と酔わない。しかし、黙った酔ってしまう。船酔いを防ぐためには船の上という空間を思いっきり楽しむ事も大切なのだ。

波酔いの予防策

1.酔い止めを飲む

船酔いの時と同様で、最も簡単に波酔いを防ぐ方法は酔い止め薬を飲む事だ。波で気分が悪くなる原因は船酔いと同様の為酔い止めは非常に効果が高い。ダイビングを行う30分前までには服用しよう。

2.空腹や満腹、寝不足を避ける

こちらも船酔いの時と同様。消化のいい物を食べ、前日に良く睡眠をとってダイビングに臨もう。

3.思い込みを無くす

波酔いに関してはこの思い込みにより酔ってしまうというのが一番の問題。まずはダイビングを心から楽しむ事。水面を泳いでいる時も、浅場にいるお魚たちに心躍らせれば酔いは来ません。さらに酔い止めを飲めば完璧です。

海藻の揺れへの予防策

1.水中が揺れている時は海藻に近づかない

海藻が揺れている光景を見ていることでめまいと同じような感覚になり、気分が悪くなる人がいる。海藻の揺れが苦手な人はなるべく海藻に近づかないようにして、長時間見続けないようにしよう。

2.海藻の上を通過する時は水底を見ない

海藻の上を通過する時には海底を見ずに、正面を見る事でこれを回避する事が出来る。また、出来るのであれば海藻の上を通過せずに避けて泳いでいくことがおすすめだ。

濁った海や暗い海への予防策

1.水底近くを泳ぐ

濁った海や暗い海では少し海底から離れるとどちらが水底なのかがわからなくなってしまい、それによりめまいが起こる事で気分が悪くなってしまう。これを避ける為に、海が濁っている時や暗い時には水底の近くで泳ぎ上下の感覚を失わないようにするといい。

2.コンパスを使用する

自分が今どちらに進んでいるのかがわからなくなると方向感覚が崩れて気分が悪くなることがある。これは目をつぶって歩いている時と同様の状態で、自分がまっすぐ進んでいるのかもわからないと酔う事がある。ダイビング中に進行方向がわかる目印になるものがあれば大丈夫だが、無い場合にはコンパスを使用して自分の進行方向を把握すると酔いづらくなる。

3.水中ライトを直視しないようにする

最近の水中ライトは光量が強く、直接見てしまうとめまいを起こしてしまう。そうすると気分が悪くなってしまう為、他のダイバーの水中ライトを見ないようにしよう。顔に光が当たっても直視しなければ多少軽減される。また、自分のライトで他の人の照らさない事はマナーの1つ。自分もそうしないように気を付けてダイビングを楽しもう。

4.ライトの光量は弱めにする

比較的光量の高いライトを使用している人は自分のライトが地面などに反射した光がまぶしくてめまいを起こす人もいる。そういった人は海が濁っている時や暗い時のダイビング中はライトに光量調整機能があれば光量を弱めて使用し、もし調節機能が無い場合には光量の低いライトを使用する事でこのめまいを避ける事が出来る。

空気を飲んでしまう事への予防策

1.息を吸い過ぎないようにする

ダイビングの基本は深呼吸をするようにゆっくり呼吸を行う事だが、無理に深呼吸を意識しすぎる事で空気が肺に入りきらず胃に入ってしまう事がある。普段の呼吸よりもやや深く吸い込む程度にとどめて息を吸い過ぎないようにする事で空気を飲んでしまうという事を避ける事が出来る。

2.中性浮力をマスターする

中性浮力を取る際にBCDへの給気が足りずに、呼吸で体を浮かばせようと頑張り過ぎてしまうと息を吸い過ぎてしまい空気が胃に入ってしまう。中性浮力をマスターするとBCDに程よく空気を入れる事が出来、浮力が安定する為、身体を浮かばせるために息を吸い過ぎるという事が無くなる。

酔ってしまった時の対処法

上記で案内したことを実践すれば気分が悪くなるという事は非常に少なくなるだろう。それでも酔ってしまう時は酔ってしまうもの。気分が悪くなってしまった時の対処法を知っておけば、万が一酔ってしまっても早く回復が出来るようになる。

新鮮な空気が吸える場所に行く

室内の酸素が薄い空間や排気ガスのにおいがある場所はさらに酔いがひどくなる。その為もし気分が悪くなってきたら船外の排気ガスなどが混ざらない場所に移動して新鮮な空気を吸うようにしよう。

身体を楽にする

もしダイビング器材を装着しているのであれば、それらを脱いでダイビングスーツを上半身だけでも脱いだ状態にすると気分が楽になる。特にドライスーツは首の締め付けなどもある為、酔っている状態で脱ぐ動作が億劫だとしても脱ぐようにしよう。

身体を涼しい状態にする

身体を涼しい程度に冷やすことは酔いを楽にするのに効果的。特に東部を冷やすと身体全体が涼しくなるので、東部に冷たい物などを押し当てるだけでも効果がある。

眠る

大型の客船などで酔ってしまった場合には寝てしまうのが一番。意識が無ければ酔う事も無いので、大型船での移動の際にはすぐに寝てしまおう。

遠くを眺める

船酔いや波酔いの時は身体自体が揺れている物理的な揺れと周りの景色が揺れている視覚上の揺れから起こる。遠くを眺めることによって視覚上の揺れを軽減する事が出来るので、なるべく遠くの陸地にある動かない物を見続ける事で、酔いを楽にする事が出来る。

まとめ

今回は船酔いをはじめとしたダイビング中に遭遇する可能性のある様々な酔いについて紹介した。気分が悪くなると折角楽しみにしていたダイビングも台無しになってしまうため、今回の事を活かして酔いを避け、また解消できるようにしてほしい。

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