器材について身体の事

冬のダイビングを快適に過ごす為には!?

気温も水温も低い冬の海。普通の人だったら「海に入ろう」だなんて考えもしないが、ダイバーにとっては「できれば海に潜りたい」。

冬の海は一年を通して水の透明度が最も高く、水中景色を存分に楽しむ事が出来、またこの時期にしか出会う事が出来ない水中生物にも出会う事が出来る。だが、ダイビングをしていても寒い!と感じたら楽しさも半減…。折角綺麗な海で泳いでいるのに、寒いというだけで早く上がりたい…という気持ちでいっぱいになってしまい、楽しいはずのダイビングが苦痛の時間になってしう。「こんな思いをしてまで海に潜りたくない…。」と思うだろう。だが、ダイビングでは暖かさはいくらでも【作れる】。今回は最もきれいな冬の海の中を最後まで「楽しい!」と思う事が出来る方法を紹介する。

 

暖かい1日、まずは内側から作ろう!

 

水陸問わず、寒い季節の1日を暖かく過ごすために大切な事は身体の中から温まる事。よく「芯まで冷えた…」と表現するがまさにその通りで、芯まで冷えてしまうとそこから身体を完全に温めなおすのは非常に困難。さらに、身体が冷え切ってしまうとその後また海に入るというのは憂鬱に感じてしまう。その為、まず大切な事は身体を芯まで冷やさないように、あらかじめ身体の内側を温めておくこと。身体を内側から温めるためには、体内に入れるものに気を付けることが大切…つまり飲食が重要なのだ。

身体を冷やしてしまう意外な食べ物と飲み物

実は身体を冷やしてしまう食べ物や飲み物が存在するのはご存じだろうか?食べ物の中では水分の多いキャベツやレタス、トマト等は体を冷やしやすく、飲み物の中では牛乳や豆乳、緑茶などがあげられる。寒い時に飲みたくなるホットコーヒーだが、大量に飲んでしまうと逆に体が冷えてしまう。さらに白砂糖は血糖値が急激に上がる為、身体を冷やしてしまう原因になる。砂糖とミルクがたっぷり入ったコーヒーは飲んだ瞬間は暖かいかもしれないが、実は体を冷やしてしまう原因になる。利尿作用もある為、海に入る前は避けたほうがいい。

身体が冷える物の一例

野菜…キャベツ・レタス・トマト・キュウリ・白菜・大根等

果物…バナナ・パイナップル・マンゴー等 調味料…お酢・マヨネーズ・白砂糖等

飲み物…コーヒー・緑茶・牛乳・甘いジュース等

その他…白米・うどん・豆腐等

朝食の定番であるお野菜たっぷりのサンドイッチにコーヒーの組み合わせ。実は体を冷やす原因が沢山だ。

 

身体を温める食べ物と飲み物はこれ!

身体を温める食べ物や飲み物を朝食、ダイビングの合間に取ることで身体の内から温まることが出来る。特に朝ごはんは最も大切な為。普段朝ごはんを取らない人も多いかもしれないが、朝ごはんを抜くと低血糖・低体温を招いてしまい、ダイビングにとって非常に良くない身体のコンディションになってしまう。また、日常からこれらの事を気を付けることで、冷え性対策にもつながる。女性はもちろん、男性にとっても体が冷えてしまうと身体には悪影響。免疫力も低下し、風邪等にかかりやすくなってしまう。

身体が温まる物の一例

野菜…生姜・にんじん・かぼちゃ・じゃがいも・唐辛子等

果物…リンゴ・さくらんぼ・ぶどう等 調味料…塩・味噌・醤油等

飲み物…紅茶・ココア(砂糖無し)・ルイボスティー 等

その他…もち米・納豆・鶏肉等

紅茶は体を温めてくれる飲み物。しかし、砂糖やミルクを入れてしまうと効果が弱くなる為、ストレートで飲むのが最も効果的だ。

 

ダイビングの合間の休憩が大切!2本目以降も暖かく海を楽しむ休憩方法とは…?

ダイビングは1日で2本~3本潜るのが普通。1本目のダイビングよりも圧倒的に2本目…3本目のほうが冷えを感じやすくなる。通常2本目以降に冷えを感じる場合には適切なスーツやインナーを選択できていない等の装備不足が多いが、実は休憩中の過ごし方が悪くて身体を冷やしてしまっている人を見る事が多い。ダイビングの合間になるべく身体を冷やさないようにすると、1本目と同様の暖かさを感じる事が出来るようになる。

濡れたスーツは休憩中は脱ぐ

休憩時間中に着脱が面倒という理由でウエットスーツやドライスーツを着用したままにしている人はいないだろうか?濡れた状態のダイビングスーツを着用したままでいると、スーツの表面が乾く際に発生する気化熱の影響でスーツ内部や体の表面が冷やされる為どんどん寒くなっていく。その為休憩中はめんどくさい場合でもダイビングスーツを脱ぐのがオススメ。

風を遮断することができる上着を着る

ダイビングは屋外で行うアクティビティ。ダイビングポイントによっては屋内の休憩所がある場所もあるが、全てがそうというわけではなく屋外で休憩をする事ももちろんある。この時に影響を与えてくる最も大きな要因が”風”だ。身体に風が当たっている時と当たらない時では体温を奪われる速度に大きな差が出る為、この風を遮断することは身体の保温にとって大きな効果がある。薄いウインドブレーカーでも効果はあるが、できれば保温力と防風効果が合わさっている上着の方が好ましい。

ダイビングサービスにあるお風呂に入る時も注意が必要

身体を手っ取り早く温めるにはお風呂に入る。おそらくもっとも人気の方法。しかしご注意を!ただ入れば温まるというわけではない。効果的に使用しないと場合によっては逆効果になることもある。

ドライスーツの場合

まずドライスーツを着用している場合は正直お風呂には入らない方がいい。理由としては、ドライスーツ内の空気が温まることで、身体が汗をかいてしまったり、ドライスーツインナーが湿気てしまう可能性があるからだ。湿気ていたり濡れてしまっているドライスーツインナーは体温をいち早く奪う。そのままの状態で2本目のダイビングを行うと、水温ですぐにドライスーツインナーが冷やされてしまい、身体があっという間に冷えてしまう。ただでさえ1本目のダイビングを行った時点でドライスーツインナーが湿気ていることも多い為、ドライスーツを使用してダイビングを指定時は休憩中はお風呂に入らずに、スーツを脱いでまずインナーを乾かし、さらに保温性の高い上着を羽織るのが最も効果的。それでもお風呂に入りたい場合には、休憩の前半にお風呂に入って体を温めた後ドライスーツを脱ぎ、中の湿気を乾かしてから2本目以降のダイビングに臨むといいだろう。

そもそもドライスーツは正しいドライスーツインナーや装備を整えていると陸上も水中も寒さを感じなくなる。お風呂に入りたいほど寒さを感じる場合にはドライスーツインナーを見直すことをお勧めする。ただ、手や足はどうしても冷えてしまう人がいるので、その場合にはお風呂に手や足だけをつけるといいだろう。

ウエットスーツの場合

ウエットスーツを着用してダイビングをした後に身体が冷えてしまっている場合には、ダイビングの合間の休憩中ににお風呂に入る事は非常に効果的だ。ただ、入り過ぎは禁物…脱水症状になってしまうからだ。理想のお風呂の使い方は38~40℃のお湯に10~15分程つかること。42℃以上のお湯は熱く感じ、芯から温まるイメージだが実は逆。急激に体温が上がるが、身体はそれに危機感を感じ身体を冷やそうとしてしまう。結果、身体の内部は温まりづらくなってしまう。

そうとはいっても冬のダイビングポイントにあるお風呂のお湯は、比較的熱めに設定されていることが多いので、お湯の温度をチェックし、熱い場合には温冷交代浴がオススメ。湯船に2~3分つかる→ぬるい水(30℃程でも効果はある)を浴びる→また湯舟に…を数回繰り返すことで体の中に熱を閉じ込めることが出来る。また、大切な事は休憩の終了直前は身体を温めておかない事。温めた体を冬の海で急激に冷やすのは非常に身体に悪いので行ってはいけない。

水分補給も必ず行おう

冬場は寒いのでさらに身体を冷やしてしまいそうでつい避けてしまう水分補給。冬場は気が付かないうちに体から水分が奪われているので脱水症状には気をつけたい。脱水症状になると身体がつりやすくなる為、ただでさえ冷たい海で足などがつりやすい状況なのに、より釣りやすくなる。さらに脱水症状の時は減圧症になるリスクが高くなってしまうため、ダイビングではどんな季節も水分補給行う事が非常に重要である。しかし、だからと言って冷たい水を飲んでしまうと体が冷えてしまうので「できれば飲みたくない。」という方も多いだろう。折角ダイビングの合間に体を温めたのに、冷たい水を飲んでは体の内部が冷えてしまい台無しになってしまう。

冬の時期の水分補給ににおすすめなのが体温より暖かい飲み物。体温より暖かいものを飲むことで体は内側から温まる。水を飲む人は白湯を飲むようにすればいいだけ。自宅でお湯を沸かして水筒に入れて持参するのもいいだろう。さらに欲を言えば身体を温める効果のある生姜湯やノンカフェインかつ身体を温める効果があるルイボスティーなどを飲むとさらに効果的だ。

意外と知らない足の保温グッズ

ここまで様々な対処を行っても末端が冷えてしまう…という方は多い。手に関してはウインターグローブという冬用のダイビンググローブが沢山販売されている為、比較的解決できている方が多いのだが、意外と見落としがちなのが”足”だ。実際足の保温グッズを使用している人はあまり見かけたことが無い。たまに足のホッカイロを使用している人もいるが、ドラスーツの中で最も空気の循環が悪い足の部分では、発熱に酸素を必要とするホッカイロにとって最も効果を出しにくい部分。

ダイビング中に足を保温する為に考えられた靴下や専用のインナーソールを使用することで足も暖かくダイビングをする事が出来る為、困っている人は試してみてはいかがだろうか?

WorldDive L-fit+PLUS

保温性に優れ抜群の暖かさを誇る最高級羊毛”メリノウール”を使用。汗をかいても繊維内に取り込み、濡れ感が残らない為足の冷えを最大限に防止してくれる。防臭・抗菌機能も備えており、群れやすいドライスーツのブーツ内でも匂いがつくことが気にならない。

ZERO アウトラスト ソックス

宇宙飛行士が過酷な宇宙空間で過ごす為に開発された特殊生地”アウトラスト”を使用したソックス。暑いを涼しく、寒いを暖かくしてくれる超高性能な靴下。足裏には滑り止め加工がされており、ブーツ内で足が遊びづらくなっている。

ZERO アウトラスト ホットインナーソール

一押しのアイテム。裏面には断熱効果の高いラジアル素材を使用した生地。表面には特殊生地のアウトラスを使用しおり、どんな靴下を使用してもとりあえず暖かくしてくれる優れもの。間にネオプレン素材(ゴム)が入っている為、足底からの冷えを遮断してくれる。

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