マスクに水が入る原因と対処法!マスククリアの正しい行い方
水中には陸上にはない世界が広がっている。中々見ることができない「風景」や「シーン」をマスクを通してみることが出来る。しかしマスクと聞くと、最近付ける事が多くなった感染対策マスクを思い浮かべる方も多いだろう。
水中用のマスクと陸上用のマスクは全くの別物だが、顔に付けるのは同じ。また陸上用のマスク普段何気なくつけていると思うが、実は裏・表がしっかり存在している。間違った付け方をしているとマスクに「花粉やウイルス」が溜まってしまったりと逆効果…。それと同様にダイビング用マスクにも正しいつけ方があり誤った付け方をするとマスク内に水が入ってきてしまったりと本来楽しめるグッズなのにもかかわらずストレスを感じてしまう事も考えられる。今回は、水中の大切な場面を逃さない為にも万が一に備えて「マスク水が入る対処法と原因」を紹介させて頂くので最後まで読んで頂けると嬉しい。
マスクに水が入るとどんな事が起きるのか
海に入る前にしっかり確認をしたはずなのに、水がじわじわとマスク内に水が入り始める…。限られた時間でしか楽しむことができないのに見える視界が狭くなってくると気になってしまってマスクに気を取られてしまい、満足に水中を楽しめないこともあるだろう。ここからは、マスク内に水が入ると他にはどんなデメリットがあるのかを知って頂きたい。
大事なシーンを逃してしまう
ダイビングの時間は長くても大体が1時間と定められているところだほとんどだ。更に、 水中の生き物は「一期一会」な事が多いだろう。 折角レアな生き物に水中で運よく会えたとしてもマスク内に水が入ってしまっていると万属に見ることができないことは勿論、慣れている方はマスククリアをしている最中に見逃してしまう事も考えられる。
マスクの曇り止め効果が落ちる
水中へ入る前に、マスク内が曇らないように「曇り止め」を塗る方が殆どだ。この曇り止めはマスクレンズ内側に薄い水の膜の様なものを張る役割がある。曇り止め自体水で洗い流すタイプの為マスク内に水が入ってきてしまうと成分が溶け、曇り止めの効果が無くなってしまいマスク内は曇ったままになることも考えられる。
化粧が落ちてしまう
「マリンスポーツなんだから、化粧なんてしなければいいのに…。」と思うだろうが、女性はどんな時でも写真写りをよくしたいのだ。しっかりとしたメイクではなくナチュラルにメイクをしてくる方もいるだろうが、マスク内に水が入ってきてしまうと折角の化粧が台無しになってしまう事も考えられ、溶けた化粧が目に入るとかなり痛い…。
鼻に水が入ると痛い
当たり前だが鼻に水が入るとかなり痛い…。ひょんとした事から鼻に水が入ってしまうと痛いだけでなく、中には上手く耳抜きが出来なくなってしまうケースもあるのではないのだろうか。鼻と耳の入り口は同じ場所を通っている為水も通過する。
マスクに水が入る原因とは?
海に入る前にバディ同士でチェックをしたのにも関わらず水が入ってきてしまう…。そんな経験をした事はないだろうか。なぜ水が入ってきてしまうのかいくつか紹介をしていく。
髪の毛やシリコンなどが挟まっている
セッティング中マスクを確認をしたのにもかかわらず不安になり顔周りは何度も触ってしまう物。その拍子にマスクシリコンが内側に入り込んでしまう事もある。更に、髪の毛【1本】でもマスク内に水が入り込んでしまうとマスク内に隙間が生まれ水の通り道になってしまう。女性の場合は、前髪だけではなくもみあげの長い毛が入り込んでしまったりするケースもある。男性だと、髪の毛よりも「口周りのひげ」の影響で水が入ってきてしまうケースも考えられる。
顔のしわ
ダイビング時、普段見ない世界を目の当たりにするわけで気持ちが高ぶり楽しくなりついつい「口角」が上がってしまう。口角が上がると、口周りのしわが増え水の通り道となる。また、おでこのしわからも水が入ってきてしまうケースもある為頻繁なマスククリアをすることになる。
マスクのずれ
マスクが本来あるべき位置は、上唇の上あたりが一番望ましい。しかし、マスクは少しずつ上にずれてくることもあり気づけば鼻の下すれすれまで上がってきてしまっていることもある。気づかずそのまま潜り込みをしていると花に水が入ることが多くなり、先程も紹介した「痛み」を伴う事が多くなるろう。
マスク下から水が入ることが多くなるような感覚があった場合マスクの位置を少し下へずらすことをお勧めする。
バンドの位置
マスクには必ずバンドが付けられているが、マスクバンドのつける位置を考えた事はあるだろうか。人の頭は、円形状に近く後頭部は丸みを帯びているのはご存知の事だろう。何も考えずただ、マスクバンドを後頭部へ着ければ少しずつマスクバンドは真下へずれ込み、気づけばマスクも下へかなりずれ込んでしまっているだろう。
バンドの形状は、ゴムバンドが二つに分かれている。
これには理由があり、枝分かれしているバンドを上下二つともしっかり使えている状態初めて顔にしっかりとフィットすることが出来る。
大体の方が付けるのがバンドを真っすぐ平行に使用し行動部へ付ける方法。
しかしこれだと、マスクバンドがかなり落ちやすくなり、落ち込んだバンドは耳へ引っ掛かり耳を傷める原因にもなる。
マスク自体が落ちにくい方法として、マスクバンドを脳天近くまで上げる事。
こうすることによって、マスクは顔にしっかりと引っかかりずれ込むことはなくだろう。しかしバンド自体をあまりにも上にセッティングしてしまうとかえってマスクが上に上がりやすくなってしまう為、見極めが必要になる。
マスクの締めすぎ
水が入ってきてしまう事を恐れ、マスクバンドをきつく締めすぎてしまう事もある。
マスクがきつすぎていないか、マスク横のバンドを調整する為の「ボタン」や「引き具」で確認をしよう。一度きつめに締めすぎてしまったマスクのまま調整ボタンを押すと勝手に緩み本来の自分顏の位置まで調整をしてくれる。
マスクに水が入らないようにする方法
ダイビング用のマスクは自分1人だけではしっかりセッティングをしているのかが判断できない。その為に必要なのが【バディ】だ。前回のコラムでも話をしたが、「お互いに助け合う仲間」である為、マスク確認もバディがしてあげることによってより水中を快適に過ごせることだろう。
ここからはどんなことをチェックしていくのか見ていこう。
チェック① 髪の毛やシリコンが挟まっていないか
先ほども紹介させて頂いたが、髪の毛1本でもマスク内に入ってしまうと水の通り道が出来てしまう為早急に抜く必要がある。また、シリコンが内側に入り込んでしまう事も考えられる為確認をしよう。
見て判断をしてあげるだけでなく実際に顔に振れ髪の毛やシリコンが入り込んでしまっている部分をバディが抜いてあげるとより良いだろう。
チェック② マスクのバンドがねじれていないか
顔に装着時、気づかないうちにマスクバンドがねじれてしまうケースがある。ねじれている部分ならば、不快を感じ気づきやすいかもしれない。しかしこれが案外気づかない物なのだ。バンドがねじれてしまっているとマスクが浮きやすくなり水が入る原因にもなる為気を付けよう。
チェック③ フードや水泳キャップが入り込んでいないか
紫外線除けや髪の毛の保護の為に「フード」を付ける方もいるだろう。フードはマスクをつける前に着用する為、気づかないうちにフードの上にマスクをセットしてしまう事もある。かぶり直す必要はないが、指を使い抜いてあげると良いだろう。
対処法!マスククリアを知ろう!
初めて器材を使用する人にとって、一番難しいスキルでもあるだろう。目に水が入りしみることもあり上手く水を抜く事が出来ないこともある。更に、マスク内に水が入らないように目が釣り目になる程バンドを締めてしまう事もあるだろう。それはマスクの水を抜くのが苦手だから誤った対処法を身に付けてしまっている。ここからは水が入ってしまった時の【対処法】を解説していく。
マスククリアの方法
step① 水の抜き方を確認しよう
マスク内の水は決まって【マスク下】から水を抜く。ではどうやって水を抜くのだろうか。
マスクの水は、水中で抜くとき【鼻の息】と一緒に抜く必要がある。
しかし、ただ鼻から息を出しているだけでは水は簡単には抜けない。
水をより簡単に抜く為には、マスクフレーム上部を「両手」もしくは「片手」で押さえマスクの浮きを下へ集中させる必要がある。
まずは水中でマスクを抑え、鼻から息が出せるのか確認をしてみよう。
step② マスクに水を入れてみよう
鼻から息を出すことが確認できたら、次は水をマスク内に入れてみよう。
マスク内に水を入れる時に水をすくうようにマスク下から入れ方をしても中々水が入らないこともある。正しい水の入れ方としてマスク上から少しずつ隙間を指で作り調整しながら入れるといいだろう。
step③ マスククリアをしよう!
ここからが本題。マスク内に水を入れることができたらいざ「マスククリア」!
マスクをしっかりと固定し鼻の息と一緒に水を抜くが中々抜けないこともあるだろう。その場合は、顔の位置を考えてみてほしい。真正面を向いたままでは、ある程度の水を抜く事は出来るが鼻の中の水やレンズ下に水が溜まったままだったりとしっかりと抜き切れていないこともある。
マスククリアをする時は…
「真下を向き鼻の息を出す」⇒「少しずつ上を見るように顔を上げ」⇒「斜め上で水を抜き切る」
ここまで言われたとおりにマスククリアをしても中々抜けきれないこともあるだろう。
より快適にマスク内の水を抜け切れるように次からは【コツ】について紹介していく。
マスククリアのコツ
コツ① マスククリア時に親指をフレームに引っ掛け少しだけ浮かす
マスクフレームを両手でしっかり押さえていても中々、水が抜けきれないことを経験したことあるだろう。その場合は、親指をフレーム下に引っ掛け少しだけ浮かしてあげるとより水が抜けやすくなる。
注意:マスクを持ち上げすぎてしまうとかえって水が沢山入り込んでしまう事がある為少しだけ持ち上げてあげよう。
コツ② マスククリア時に一気に上を向かないようにする
最後に紹介したマスククリアの仕方に少しずつ上を見るようにと紹介したが、一気に上を向いてしまうと鼻に水が入ることがある為注意しよう。
マスククリアの大切さ・学ぶ方法
ここまで【マスククリア】について紹介をさせて頂いたが、普段何気なくしているマスククリアの大切さに改めて感じて頂けると嬉しい。
今、マスククリアが苦手で困っている方は一度「スクール」へ実際に受けて頂き時間をかけて克服すればより水中世界を楽しめる事は間違いないだろう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
TrueNorth井上