シュノーケルに水が入る原因と対処法!シュノーケルの正しい使い方
水中と陸上を繋ぐ「シュノーケル」
シュノーケル1つあるだけで、顔を水面から出さずとも呼吸を楽々と吸う事が出来る何とも便利グッズなのだ。水中で呼吸をしながら楽しむスキューバダイビングとは違い、シュノーケリングやスキンダイビングは空気が入ったタンクを背負うことが無い。その為、水面から直接呼吸をする必要があるその時に役立つのが【シュノーケル】なのだ。
だが、しっかりと使い方を習っていない場合、シュノーケルの大切さや使い方をまだ理解しきれていない方やマリンスポーツをかじっているダイバーなら何が正しいのか困惑することもあるだろう。今回は、シュノーケルについて迫っていこうと思う。
シュノーケルに水が入るとどんな事が起きるのか
シュノーケルは簡単に言うと1本の筒上になっている。当たり前だが、水は勿論入ってくる。しかし、水が入るのにも理由がある。一体どうして水がシュノーケルの中に入ってしまうのかまずは解説していこう。
溺れる原因に
シュノーケルは簡単に言うと、私達の口の位置を変えてくれているようなものだ。水面でうつぶせの状態は当たり前だが呼吸を吸う事は出来ない…。シュノーケルを付けていないと、呼吸を吸う為に顔を何度も水面に上げなければいけない。水面に顔を上げた時に「波やうねり」をかぶってしまった時どうなるだろう。誤って水を飲んでしまったりするかもしれない危険がある…そう、ここで【溺れ】につながる訳だ。
呼吸が整わない
呼吸を整えるために、水面から顔を何度も上げなければ私達人間は呼吸をすることができない。その為に立ち泳ぎをしてまた泳いでと繰り返していると体力も消耗してしまい呼吸もいずれは整わなくなってしまうだろう。水泳とは違い、スキンダイビングは水中で息を吐いてはいけないスポーツだ。水面を覗き息を止めながら移動するのはかなり体も疲れてしまう事だろう。
海の楽しさが半減
移動しながら呼吸をすることができない、呼吸をする為に頭を上げて立ち泳ぎをしなければいけない…。ここまでくると「思っていたよりも大変なスポーツ」という考えが定着してしまい、楽しさや面白みが半減してしまう。水は私達が住むことができない環境。初めての事が続き、呼吸も満足に吸えないとなるとストレスも溜まるだろう。
シュノーケルに水が入る原因とは?
正直、シュノーケルに水が入ってしまうのは仕方ない事である。慣れない環境下でシュノーケルを使用しているわけでもあり不意に水が入ってしまう事もあるだろう。スキンダイビングは水中を潜るスポーツ、この時点でシュノーケルには実質「水が入っている」状態になる。しかし、これとは違った理由でもシュノーケルには水が入ってしまう瞬間がある。
波やうねり
海で楽しむスキンダイビングは自然相手になる。前日・当日の風向き/風速によって水面の荒れ方が変わってくる。陸上から海面を見るよりも実際に泳ぐと波やうねりが酷いこともあるだろう。また、スキンダイビングを楽しんでいるダイバーの近くを「船」が通過した時にも、波やうねりが発生する。これに気づかず誤ってシュノーケルに水がかぶってしまう事もある。
水中を覗き込む
シュノーケリング中ついつい楽しくなってしまい、頭を水中に入れすぎてしまう。こんな経験をした事がある方も多くいるだろう。気がつかないうちに顎を引きすぎてしまい、シュノーケルが沈んでしまっている状態、気がつかず水を飲みこんでしまったり呼吸ができなくなってしまい慌ててしまう事もある。
正しい咥え方ができていない
シュノーケルには咥えやすくする為に「マウスピース」が必ずついている。しかしこのマウスピースの咥え方をしっかりと理解ができていない方は、本来生まれないはずの隙間ができてしまい誤って水を飲んでしまうケースもある。
シュノーケル内に「ゴミ」が挟まる
さっきまで問題なく使用していたシュノーケルが何もしていないのに、水が入ってきてしまう…。こんな体験をした事はないだろうか。海には色々な物が浮遊している為、稀にシュノーケル内の逆止弁に小さなゴミが挟まってしまう事がある。普段は水が入らないように蓋の代わりになっている物に隙間ができてしまっている為、水が永遠に入ってきてしまうという訳だ。
シュノーケルに水が入らないようにする方法
ここからはシュノーケル内の水の抜き方を紹介していく。
チェック①マウスピースの正しい咥え方を確認
シュノーケルに必ずついているマウスピース。正しい咥え方は「あ」「い」「う」で咥える。
マウスピースにはこのような突起物がくっついており、この部分を歯で挟む。
しかし、中にはこの部部の存在に気付く事が出来ず本来唇で覆わなければならない部分を歯で噛んでしまっていることもある。
誤った咥え方をすると、先程も紹介したが水が入る原因ともなる為注意しよう。
チェック②泳ぐときは進行方向を見る
スキンダイビング・シュノーケリングで大切な事それは「進行方向を見る事」
水面でも水中でも大切なことだが、大切なことだからこそできていないことがある。
どの向きでもしっかり進行方向を見ていないとシュノーケルには水が入ってきてしまう。
顔をしっかり前に向け顎を上げることを意識しよう。
★スクールで進行方向を見ている写真
チェック③水中を覗き込みすぎない
先ほども紹介したが顎を下げすぎることによるシュノーケルの水没に気を付けよう
スキンダイビング用のマスクを着用していると視野が狭くなりついつい水中を覗き込みすぎる傾向がある。
体の向きを上手く変えて、頭の位置を常に意識をしていないとシュノーケルの先端が水没してしまい溺れの原因になるだろう。
覗き込むほど気になるものが水中に合った場合は実際に潜って確かめていると良いだろう。
対処法!シュノーケルの中の水をなくそう!(シュノーケルクリア)
シュノーケルの中に水が入ってしまった時に最もやっていけない事はシュノーケルを口から外し、水面で水を抜く事。シュノーケルを外していると口が水面につかづく事になり水を飲む可能性が高くなる。それにより溺れるリスクが高くなるのだ。正しい水の出し方はシュノーケルクリアという方法を用いる事で、これにより口からシュノーケルを外すことなくシュノーケル内の水を排出する事ができる。
シュノーケルクリアの方法とは
方法① ブラスト法
シュノーケルクリアの中で一番オーソドックスな抜き方。
抜き方はいたって簡単。
素潜り後に水面に完全に上がることができ、シュノーケルが水面に出ている状態で、シュノーケルを咥え強く息を吐く。
シンプルで簡単そうだが、元々息を吐く力が弱い方は中々水ができれない傾向もある為お腹に力を入れてしっかり吐き出すのも1つのコツだ。
方法② 逆止弁から水を抜く方法
【逆止弁】とはマウスピース下にある穴の事である。この穴からも実は水を抜く事が出来るのだ。
シュノーケルにはタイプにもよるが、ジャバラがついている物が存在する。ジャバラタイプを使用している場合は、 呼吸が漏れないようにジャバラを強く握り潰す。そのまま強く息を吐くと、勢いよく下から抜けるという仕組みになっている。基本的にシュノーケルで呼吸をしていて「ゴロゴロする・吸いづらい・水が溜まっている感じがする」場合に使用してみてほしい。
方法③ ディスプレースメント法
本来シュノーケルクリアは、水面に完全に上がってからシュノーケルクリアをするが【ディスプレースメント法】は水面近く水中で行うシュノーケルクリアの事だ。
手順① 呼吸を沢山吸い潜ろう
ディスプレースメント法は何度も言うが、水中で行うシュノーケルクリアだ。まずは名一杯呼吸を吸い、水中へ潜ってみよう。その際に、口からシュノーケルを外さないようにちゅうしよう。
手順② 水面へ浮上しシュノーケルクリアを!
水中で呼吸の限界が来た時水面へ上がります。
この時シュノーケルの先端が水面近くまで達したら、水中でシュノーケルクリアをしてみよう。一度シュノーケルの中に入った水が水中の中でクリアになれば、上がってからすぐに呼吸を再開することができるのだ。
この方法は、水面に上がってからすぐに呼吸を再開する事が出来るだけではなく、水面でシュノーケルクリアをした時に周りのダイバーにシュノーケルクリアで出した水がかからずに済みます。
このご時世、周りに自分の「唾液」が入ってしまっているかもしれない水をかけてしまうのは、気になってしまうもの。周りの為、自分の為にも少し意識をしてみてはいかがだろうか。
練習方法
手順① シュノーケルクリアをする為の呼気の勢い確認
1本の筒状になっているシュノーケル。シュノーケルクリアに必要なのは「強く息を吐く事」
しかしこの強く吐く事が出来ない方も稀にいる。実際、強く吐けと言われてもどれくらい強く吐いたらいい物なのか正直わからないのが本音だろう。そこで、まずは呼気の確認をしていく。
1.目の前で水を両手ですくおう
2.救った水が吹き飛ぶくらい息を吹きかける
※この時に水が吹き飛ばない方は吐く力が弱い‥‥。
手順② マウスピースの咥え方おさらい
そもそもマウスピースの咥え方がうまくできていないと何度シュノーケルクリアをしても水は永遠と入ってきてしまう。「あ」「い」「う」の手順でマウスピースをしっかり咥える事。
この時、無意識に歯を食いしばってしまいマウスピースに亀裂が入ってしまう方もいる。だからと言って水が入ってくるわけでは無いが、常に顎に力が入ってしまっている状態だと「疲れ」てしまう…。マウスピースを咥えている時はあくまで「う」の口を頑張るの1つのコツだ。
手順③ 水を入れてみよう
ここまで呼気の強さ、マウスピースの咥え方をおさらいすることができたら残すは実践のみ!
実際に水を入れる時は水中でマウスピースを口から外さず、シュノーケルの先端から水を入れてみよう。※この時口からマウスピースは外さないようにしよう。
シュノーケルの中に水を入れることができたら、練習した通り口から息を吐いてみよう。
まとめ・シュノーケルの大切さ
ここまでシュノーケルについて紹介をさせて頂いたが、思っていたよりもシュノーケルの使用方法が大切だという事を感じて頂けただろうか。今まで、ダイビング用マスク1つだけで潜っていた方、水泳用のゴーグルだけで潜り込みをしていた方はより水中を快適に過ごして頂く為にも【シュノーケル】を付けて頂きたい。
また自分が今まで使用していた器材も今一度見つめ直してもらいたい。水中では、呼吸をすることができない…。考え方を少し変え器材に命を預けているという事も覚えていてほしい。
詳しいシュノーケルの使い方から、スキンダイビング器材の使用方法は下記スクールにて行っておりますのでご参加ください!
TrueNorth井上