【いまさら聞けないシリーズ】スキンダイビングの注意点とルール
海でスキンダイビングをしている時に皆さん気を付けている事ってありますか?個人で泳ぐとき、はたまたダイビングショップを利用している時で、注意点やルールが違うはず…。更には、意外と知らなかったことまでショップでは気お付けていることもあります。海では安全に楽しく遊んでもらう為に、今回は注意点とルールを説明させて頂きます‼
スキンダイビングの注意点
海への入り方/上がり方(エントリー・エキジット)方法
海の入り方は、場所によって異なります。「どういうこと?」と思うはずです。それもそのはず皆さんが思っているビーチは綺麗な白い砂浜に入っていくイメージではありませんか?しかし、残念ながらどこにでも白い砂浜ビーチが存在するとは考えにくいのです。当店の様な都心型ショップは「伊豆半島・神奈川・千葉」を利用することが多く、白い砂浜ビーチよりもゴツゴツと岩場ビーチからのエントリーが多い。だからこそ入り方(エントリー)、上がり方(エキジット)に気お付けないいけません。
例えば、左側の写真と右側の写真で入り方が違うんです!
大瀬崎ビーチ
潜っても良いエリア内であれば、広いビーチのどこからでもエントリーできるポイント!
【注意ポイント】
潮汐の影響により砂地に傾斜が出来足が取られることがある為要注意。
富戸ビーチ
「エントリー口」「エキジット口」が分かれている。
スロープには手すり迄設置されており、初心者でもエントリー・エキジットがしやすいようになっている。
【注意ポイント】
海水がつかる足場の部分は、大変滑りやすくなっている為特に細心の注意を払わなければならない。
ダイビングポイントによっては、エントリー口・エキジット口が決まっている為最初の確認が必要になります。
スキンダイビングは、短いフィンから長いフィンまで幅広く使用している方が多くいたりとまだまだ分からない事だらけ、わからないことをより解決に導けるように「Q&A式」にまとめましたのでご覧ください★
エントリー注意点
Q:エントリー前の器材準備って?
A:海へ入る前に、ウエットスーツを着用・腰にウエイトベルトを巻く・マリンブーツ&ソックスを着用している状態に「マスク・スノーケル・フィン」を準備します。エントリー前にマスクには【曇り止め】を塗り水ですすぎ、更に互いに※バディチェック終了後エントリーへ。
Q:エントリーの器材装着の順番って?
A:海は私達の裸眼状態ではしっかりと見ることができません。その為まずは視界を確保する為「マスク」から装着。スロープ又はバディの肩につかまりながらフィンを履く手順となっています。
Q:長いフィン(ロングフィン)と短いフィンの場合手順は違う?
A:いいえ!手順は変わりません。しかし、フィンを履く場所が変わります。
短いフィンを履く場合、 マスクを装着後海へ入水する前に履きスロープを掴まり横歩きでエントリー。
長いフィン(ロングフィン)を履く場合、マスクを装着後海へ先に入水しスノーケルを必ず加え「腰~胸下」までつかり履きます。
このようにフィンによって、履く環境を考えなければフィンをダメにしてしまう原因になってしまうかもしれません。
Q:スロープや掴まる場所が無い場合はどうすればいいの?
A:この場合は、先程と同様に「腰~胸下」までつかりフィンを装着することをお勧めします。中々環境設備が難しい、島のエントリーの場合も同様です。中には、水面から1m近く離れている港の様な場所から入水をする場合もあります!
Q:水面からエントリー口が離れてしまっている場合は?
A:この場合、スクーバダイビングを経験されている方はご存知の「ジャイアントストライドエントリー」を行います!やり方はとっても簡単‼
ジャイアントストライドエントリー
①右手でマスクとスノーケルを抑え
②左手でマスクバンド(後頭部)を抑え
③海に向かって大きく一歩を踏み出します
※その時、顔は下を向かず前を向きましょう。
※スクーバダイビングの写真を使用してます。
ここまでエントリーについてお話をしてきましたが、勿論エキジット時に注意することもあります。
何も意識をせずに「ただ、そのまま上がってくればいいのでは?」と考えるのも無理はありません。まずは何に注意をしなければいけないのか、エントリーと同様に環境によって注意の仕方を変えていけなければなりません。
では一体どんな事を注意すればいいのでしょうか。
エキジット時、器材を外すタイミングはいつでしょう。「足が立てるようになってから全部取る‼」確かに、間違いではありません。しかし、エントリーと同様にロングフィンを履いている方は?外す時の手順は?基本的にエントリー時と逆の手順になります。
エキジットの注意点
Q:エキジットの方法は?
A:ポイントによっては、出口が定められている場合もあるのでまずは出口を間違えないように注意しましょう。また、エントリー口とエキジット口が同じ場所は「右側通行」で半面を使用しエキジットをします。
Q:器材を外すタイミングは?
A:エントリー口へ向かい器材を外していきますが、スロープにつかまりながらフィンから外し確実に水から上がることができたらマスクを最後に取ります。エントリー時同様に、水中世界はマスク無しではクリアに見ることができません。万が一、器材やバディが波にさらわれてしまった場合マスクを先に外してしまうと水中で何が起きているのかを瞬時に知ることができなくなるためです。その為最後にマスクを外します。
Q:長いフィンの場合はやっぱり上がり方が変わる?
A:その通り!ロングフィンを履いている場合は、そのまま浅場へ足をつき横歩きで上がることが困難です…。その為、「腰~胸下」まで水が使っている状態で器材を外し足元に気を付けながらエキジットをします。この時、波にさらわれない様に必ずスロープにつかまりましょう!
Q:スロープが無い場合はどうするの?
A:足がつく水深まで泳ぎ、後ろ向きに腰かけフィンを脱ぎエキジットします。必ずしも立ちながら行わなければいけない訳ではないので、ご自身が脱ぎやすいスタイルで器材を外していただきます。(バディの肩を借りたり…)
エントリーとエキジットだけでもこんなにも注意をしなければいけない部分がありますね。ただ、注意することは自分だけではありません。
バディシステムについて
海は何が起こるかわからない場所、だからこそ自分の身は自分で守らなければなりませんが1人で遊んでいて何かあった時に助けてもらえない。なんてことあったら困りませんか?海で泳ぐときは、必ず「バディ」が必要になります。勿論、海に行く為のプール練習の時もバディは必要です!!!
バディとは一体何なのか。何者なのか。ここからはバディシステムについてお話をしていきますね!
バディの役割
・エントリー時体の差さえ(器材持ち)
・マスク内の髪の毛
・ウエイトがねじれ
・ウエイトの位置確認
・ウエットのファスナー
基本的に自分が見えない場所、気づけない場所をバディに見てもらい助けてもらいます。
2人1組になってスキンダイビングをすることを「バディシステム」と言い、【Buddy】は英語で相棒。「必ず最初から最後まで互いの近くにいること」を意味します。この意味の通り、互いを助け合うという意味でもとらえられますね。今までに、バディを設置せずに1人でスキンダイビング・スノーケリングをしている最中に事故に合ってしまうなんて言う事も過去にあります。1人行動で起こしかねない、リスクを遠ざけるために必ずある程度知識がある方、指導者の下で行うとより安心して海を楽しんで頂けることでしょう。
水中を泳ぐときの注意点
思わず楽しくなってしまい我に返ると、「ここはどこ?」なんて経験されたことはありませんか?いわゆる【迷子】です。水中では、陸上と違い声を発することができず音が無い世界。更には、私達だけでなく、スクーバダイバーも同様に同じフィールドで潜っていることが少なからずあるはずです。潜る時に気を付ける事、それは【自分の場所を常に把握すること】ではどのように注意するべきなのでしょうか。
潜る時
海では、必ずバディがいるはずです。バディと同タイミングで潜ってしまってはどちらかに万が一があった場合助けることができません。出来る限り、潜るタイミングをずらし交互に潜れるようにしてみましょう。
【水中注意点】
・スクーバダイバーの邪魔をしない
・フィンキック時に生き物を蹴らない
※フィン先まで意識をする
・生き物を観察時にダイバーを驚かさない様にスクーバダイバーとスキンダイバーの間に生き物が見えるように挟むように観察しましょう
私達が付けているマスクは種類によって見える範囲が異なります。まずは水面から場所を把握、顎を上げ周りの確認をしながら潜りましょう。
浮上時
スキンダイビングは一呼吸で水中を楽しむアクティビティの為潜る「限界」があります。その為、スクーバダイバーとは違い、水面に戻る回数がはるかに多くなります。その分水面の確認事項があります!
【浮上注意】
・水面に誰もいない確認しながら頭がぶつからない様に片手をあげましょう
・水面だけでなく360℃見渡しましょう
・呼吸は吐かないように注意しましょう
スキンダイビングのルール
水中を泳ぐときは?
より快適に海の中を楽しんでもらう為にはある程度のルールが定められています。勿論、利用するショップによって異なります。これも海の環境を少しでも維持をする為の【ルール】なのです。年々ルールが厳しくなってしまっているのは間違いなく私達人間のせい。ルールが厳しくなるという事は環境が悪化、事故が多発している為かもしれません。ここからは海の中のルールについて説明をさせて頂きます!
潜る時のルールって一体どんな事なのか、一気にご紹介!
①水面移動時、インストラクターから離れない。
スキンダイビング・スノーケリングではついつい水中が夢中になってしまい気が付けばとんでもない場所までおいていかれてしまっているなんてこともあります。常にインストラクターの見える範囲で行動し、数分に一度は周りを見渡し位置を把握すること。因みに、見える範囲とは半径10m以内等、ショップによって異なると思います。
②潜る際は目標物を見ること
③水中では周りを把握すること
水中は視界が狭くなりがち。真下にスクーバダイバーがいた場合、振り向きざまにタンクと衝突してしまう可能性もあり、一歩間違えれば大けがにつながりかねません。水中のダイバーよりも自由がきく、スキンダイバーがダイバーには近づかず周りを把握すことが大切になります。
④耳抜きを我慢しない事
「耳がしっかりと抜けていない感じがするけど、息は持つしもう少しだけ潜ってみよう!」なんて考えをしてしまうと、鼓膜を破く原因になります。鼓膜を1度破ってしまうとかなり癖になりやすく、耳抜きもしずらくなってしまいます…。耳抜きは「痛くなる前に抜く」が基本です。痛くなってからの耳抜きは既に遅い状態。諦めて水面に上がりもう一度トライをしてみましょう。
⑤体調の変化があれば我慢せずに伝えること
その日の海況の変化によっては、波やうねりが強くなってしまうこともあり、途中の急激な体調の変化も考えられます。この場合、参加している皆さんに申し訳ないからと隠す方がごく稀にいますが、何か起きてからの対処では既に遅い状態になってしまうので、隠さずその場のバディ・インストラクターに相談をしましょう。体調が悪くなってしまう事は恥ずかしい事でもなんでもありません。
水面に浮上後確認すること
一呼吸で吸い、潜り、浮上。では、浮上後は確認することがあるのでしょうか。浮上後の確認は状況把握の1つでもあります。水中で思ったよりも遠くへ潜っていってしまった場合、浮上してから自分がどこまで泳いできてしまったのかが分かるはずですが、どのように確認をするのでしょうか?
浮上後チェック項目
・インストラクターが近くにいるか
・バディが近くにいるか
※浮き具があれば浮き具の確認も。
ある程度まで泳いできてしまった場合は自力で水面を移動し、戻りましょう。また、稀に呼吸を吐きながら上がってくる方がいますが、水中で意識を失ってしまうかもしれないので、絶対に行わないようにしましょう!
ここまでお読みいただきありがとうございました!
次回は引き続きスキンダイビング・スノーケリング特集となりますのでお楽しみに☆
TrueNorth井上