息をしっかり吸って潜ってる?しっかりってどれぐらい?

潜水知識 HOW TO

水中に潜ると身体の中ではすごい変化が!?

日頃フリーダイビングを楽しむときに空気をしっかり吸っておりますか?ほとんどのダイバーはしっかり息を吸って水中へ潜ってダイビングをしていると思いますが、中にはあまり息を吸わず潜っていくダイバーもいます。日頃フリーダイビングを楽しむときに空気をしっかり吸っておりますか?ほとんどのダイバーはしっかり息を吸って水中へ潜ってダイビングをしていると思いますが、中にはあまり息を吸わず潜っていくダイバーもいます。

そのダイバーが空気を吸わない理由として「浮力が増えるので潜りづらい」「しっかり吸えているかわからない」など理由は様々です。確かにウェットスーツを着て、さらに浮力を増加させると潜り込みのスキルアップが必要になります。また水深が浅いから、長い時間潜らないからしっかり吸わないで潜っても大丈夫と考えたことがある方も多いのではないでしょうか。水中は地上とは別世界で地上と違い人間が呼吸できるほどの空気が水中にはありません。空気がない分潜るときには酸素が必要です。しっかり水中に潜った時の身体の変化を理解し楽しく安全に潜れるようにしましょう。空気を沢山吸うということで悪いことはありません。フリーダイビング・スキンダイビングで息を沢山吸うことは重要なスキルになります。そこでなぜ空気をしっかり吸わないといけないのか、吸わないとどうなるのか、吸うことでのメリット、水中で長く持たせるにはどうすればいいかを紹介していきます!

【空気をしっかり吸わないといけない理由】

・水圧と身体の反応

山や飛行機など地上より気圧が低くなるところでお菓子の袋などがぱんぱんに膨らんでいる所を目にしたことがある方もいると思います。水中には水圧と呼ばれ深度とともに水圧が徐々に増加していきます。その圧力によって、身体の中の空洞(肺、副鼻腔、内耳)もしくは着用しているマスクの中の閉じ込められている空間(空気)が圧力の変化によって起こる障害を「スクイズ」といいます。空気をしっかり吸いこんでいない場合、水圧と体内の圧力差でスクイズするスピードが速くなり、肺の縮小限界値を超えてしまい「肺のスクイズ」が起こってしまいます。水深が浅くても空気をしっかり吸わないで潜ってしまうとスクイズを起こす可能性が高くなります。

・肺のスクイズが起こると命にかかわる!

水圧によって肺の伸縮限界値を超えたことで肺胞や毛細血管等も潰れてしまい破裂することで血液が肺に入ってしまう障害を「肺のスクイズ」と呼びます。※血液以外にも入り込んでくる。
肺のスクイズは肺自体には神経がなく最初は痛さを感じませんが、肺の中に血液等が入っていることで徐々に苦しさ、胸の痛み、咳や息切れなど起こります。重度の場合血液が滲む咳、チアノーゼの症状が起きます。しっかり呼吸ができなくなるため酸欠状態になり、視界が悪く、ぐったりしてしまい最悪の状態では救急車を呼ぶ救急対処を行う場合があります。

・もしかするとダイビングが出来なくなる!?

肺のスクイズを起こしてしまうと回復するまでに数週間かかりその間はもちろんダイビングや激しい運動が出来なくなってしまうのです。最悪の場合、人工呼吸器を使用しての生活となってしまい一生ダイビングが出来なくなることもあります。そうならないためにもしっかり空気を吸う大切さを身に付けて頂ければと思います!肺のスクイズが起きた、もしくは起きそうになった場合その日のダイビングを中止し症状の状態を確認し症状がみられる状態は決してダイビングをしてはいけません。また症状が全く改善しなく、最初よりも深刻な状態になった場合は、すぐさま医師へ診断をしてもらいましょう。

【空気をしっかり吸う事でのメリット】

・リラックスと肺を活性化!

潜る前にしっかり空気を吸うと体内の二酸化炭素と外からの酸素を交換し血中酸素濃度を上げることにより副交感神経が刺激され身体全体が軽くリラックス状態が作られます。また深呼吸だけで肺を元気にすることもできるのです!どういうことかと言いますと普段は肺の中にある肺胞は重力で下にさがっているため浅い呼吸だけですと膨らませることが出来ません。そのため肺の機能をしっかり使うためには、しっかり深呼吸をすることで肺機能を活性化させることが出来るのです。

・空気(酸素)をしっかり取り組むとどうなる?

しっかり空気を取り込むことで体内に酸素がたくさん行き渡り脳や体全体が活性化し冴えていきます。また筋肉にも酸素が十分に与えられるのでトレーニングの効果にも繋がり運動能力が向上します。酸素をしっかり取り込むには大きく深呼吸をすればよいと思われがちですが、それだけではなく取り込む時の姿勢も重要になります。座って行う時、背中を丸めないようにし胸・肩ではなく背中側に息を送るように鼻から少しずつ息を入れていきます。この時吸う息よりも時間をかけるように口から長く優しく息を吐いていきます。5回くらい繰り返して行いましょう。寝ている状態で行う時、座って行う時と同じ鼻から息を吸って口から吐くを全身を脱力状態にして行うようにしましょう。こちらも5回くらい繰り返して行います。

 

・深呼吸を続けると、きれいな姿勢になる?

ダイビング時だけでなく普段から深呼吸をすることで自然と胸(胸郭)が開き背筋が伸ばされるようになり猫背を改善し普段の呼吸が楽になります。息を吐くときは背中が引っ張られお腹の腹筋が押し上げられ背筋の良い姿勢をキープが出来るのです。浅い呼吸での生活は体内への酸素の流入量が減り、その結果、目まいのようなものが起こり、心拍数が上昇して不安発作を伴う傾向があります。ダイビング時だけでなく日常生活でも効果のある深呼吸を生活習慣に取り込み日々良い姿勢を作り上げれるようになるのです。

【多く空気を吸う・長く持たすには】

・空気をたくさん取り込むためストレッチ!

深呼吸だけをしていてもダイブ時間はあまり伸びることがありません。そこで深呼吸+身体の柔軟性を上げることで空気が入る量を増やすことが出来るようになります!柔軟性を高めるためにはストレッチが一般的に良いとされています。ストレッチと呼吸はとても大事な組み合わせなのです!深呼吸をしながらストレッチをやることで自律神経のうち交感神経が優位だと筋肉を収縮し、副交感神経が優位だと筋肉が緩むようになっています。空気を吸う時は交感神経がはたらき、吐く時は副交感神経がはたらきます。空気を取り込むとしてストレッチが必要なのは「肺」になります。肺のストレッチ方法として一番は深呼吸になりますが、肺の周りにある筋肉が硬くては増やすことが難しいです。肺のストレッチはご自身でもできるものもありますが力加減や限界値をセーブしてしまう事があります。そこで別店舗にてパーソナルストレッチも行っておりますのでご興味ある方はこちらから!

・肺活量を鍛えるためにはトレーニング!

肺活量を増やすメリットとして体力の向上につながります。肺活量は体内に取り込める酸素量と取り込んだ酸素の処理能力で、この処理能力が低いとすぐにばててしまい体力低下につながります。肺活量を鍛えることは健康維持につながるのです!体力づくりをするとなると毎日やらないと。と思われる方が多いですがそんなことは無く、週に2回以上するだけでよいのです。最初は体に負担をかけすぎると逆効果になります。そのため毎日やるのではなく徐々に回数を増やすことが重要なのです。そこで肺活量などを鍛えるためのトレーニングですがプールでのスイミングが効果的です。ランニングやウォーキングなどは体力を上げることが出来るが、足や腰を痛めてしまうことや季節によって暑くて汗をたくさんかき寒いと筋肉が硬くなり運動機能が下がってしまう事があります。スイミングはランニングと同じ有酸素運動になり屋内プールでは同じ環境で一年中行えます。また全身運動になりランニングよりも体への負担が少ないです。また筋肉の発達、肺活量増加、ダイエットにも効果的なのです。肺活量をしっかり鍛える、意識できるようにするために、当店ではオンライン講習で【ラングストレッチコース】【呼吸リラクゼーションコース】を開催しておりますのでご興味ある方は是非ご参加ください。

・健康的な体作りをしてコンディションを良く!

健康のためにストレッチ、練習をたくさんしても身体に負担をかけすぎてしまい体調を崩しては意味がありません。まずは、生活習慣の中で主要な「バランスの取れた食事」・「十分な睡眠」・「適度な運動(ストレッチ、筋トレなど)」をしっかり考えて身体を改善していきましょう!そうすることで一日の活動をする際にしっかり動くことが出来、適度な疲れなどに代わり深い睡眠がとれるようになります。しかし、これまでの生活習慣を一転しますとストレスなどが出て逆効果なので徐々に時間をかけて改善していくことが重要です。やはり何事にも身体がしっかりできていないとレベルアップすることが難しいのです!どこの健康論も同じような内容ですがそれだけ効果を発揮するという結果が出ているのです。少しでもご自身の生活面を一度見直し健康に必要なことを加えて生活してみるのレベルアップの道になります。

【まとめ:水中世界を安全に潜るためには自身のレベルアップ!】

水中世界を安全に過ごすには自身を高めていく必要があります!適度な運動をしないとすぐに限界値がきてしまいばててしまいます。最初にもお伝えしましたが水中と地上は別世界です。空気をあまり吸わないで深く・長く潜ろうとすると水圧により体内の空間が水圧により押し潰され怪我をする恐れがあります。そのため、安全面を考慮ししっかり空気を取り込む必要があるのです。水中でのレクリエーションはかなりの体力を消耗しますので疲労などでも筋肉の攣り、溺れのトラブルにつながるため毎日の生活の中で健康面を管理し水中世界を楽しめるだけの体力・筋肉を身に付ける必要があるのです。毎日の生活をしっかり整え+適度の運動を行い体力の増加をすれば肺活量も伸びていきます!しっかり空気を吸い水中世界を存分に楽しめるように頑張りましょう!

通称/コセキン、ゆうた PADIオープンウォータースクーバインストラクター、PADIフリーダイバーインストラクター、応急救護EFRインストラクター

トゥルーノースで一番の泳力を持つ元競泳マン。主にスキンダイビングやドルフィンスイム、フリーダイビングライセンス担当。フリーダイビング選手としても活動しており、競技トレーニングなどを得意としています。フリーダイビング競技に興味のある方はお気軽にご相談ください。

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